データセンターとは?
データセンターは今、世界中で需要が爆発しています。
AI、IoT、クラウドサービス…私たちの生活やビジネスのほぼすべてがデータセンターにつながっていて、止まった瞬間に社会インフラが成り立たなくなります。
そんな“社会の心臓部”ともいえるデータセンターは、不動産としても大注目のアセット。
ただ、普通のオフィスや倉庫とは違う、めちゃくちゃ特殊な構造と設備が必要なんです。
この記事では、不動産の視点から
「データセンターってどんな建物?」
「何が今のトレンドなの?」
「投資としてどうなの?」
を、わかりやすくまとめていきます。
データセンターってどんな建物?
とにかく“重さ”に強い建物
データセンターに置かれるサーバーラックはかなりの重量。
一般的なオフィス床の耐荷重は1㎡あたり約300kgですが、データセンターは300kg〜3000kg級の荷重にも耐えられる強度が必要になります。
災害に強い立地が必須
日本は地震リスク大国。
だからデータセンターの立地は、
- 地震リスクが低い
- 液状化リスクが低い
- インフラ障害が起きにくい
といった条件が厳しくチェックされます。
さらに、災害だけでなく
人的ミス・設備故障も想定してバックアップ体制(冗長化)を備えるのも必須です。
セキュリティは“超”厳重
データセンターは「入れさせない・出させない」が鉄則。
入館管理や監視システム、導線設計、防犯植栽など、物理セキュリティも最高レベルが求められます。
需要が増えすぎて起きている“問題”
AIやクラウドの急拡大で、データセンターが抱える最大の問題は…
電力と熱。とにかく熱い。
消費電力が爆増している
昔は1ラック2〜6kWが普通でしたが、今は
- 20〜30kW
- 中には60kW超え
なんてラックも出てきています。
当然ながら、
めっちゃ熱くなる → 冷やすのがめっちゃ大変
という課題が発生。
液浸冷却が注目される
そこで最近注目されているのが液浸冷却。
サーバーを液体に浸して直接冷やす方式で、
- 空調スペースが小さくなる
- 省エネ性能が上がる
- コンパクトなDC設計が可能
とメリットが多く、世界的に導入が始まっています。
老朽化したデータセンター、実はめちゃ多い
日本のデータセンターは2000年前後のものが多く、設備寿命の15〜20年を超えつつあります。
当時は「1ラック3kW」で設計されていたため、
今の高密度サーバー(20〜60kW)にはとても対応しきれません。
単なる改修で済まず、抜本的な見直しが必要
そのため、
- 大規模リノベーション
- 新築の大規模DC
- モジュラー(コンテナ)型DC
など、新しい形のDC開発が増えています。
小型で分散する“エッジデータセンター”が伸びる
AI・IoTの普及で増えているのが、
「データをすぐ近くで処理したい」というニーズ。
そのため、巨大な集中型DCだけでなく、
- 小型
- 分散
- 短工期
- モジュール型(コンテナ型)
といった“エッジ型”のデータセンターも一気に需要が伸びています。
不動産投資としてのデータセンターはどうなの?
データセンターは安定稼働すれば非常に安定した収益が得られるため、
国内外ファンドが積極的に投資しています。
資金調達の仕組み
データセンターも他の収益不動産と同じく、
- ノンリコースローン
- GK-TKスキーム
- TMKスキーム
- トランシェ(シニア・メザニン・エクイティ)
といった手法で組成されます。
ただし…
設備寿命が短い(15〜20年)
という特性があるため、
- 長期投資
- 年金運用
- 保守的なファンド
は慎重なアセットタイプでもあります。
【まとめ】データセンター不動産の未来
今後のデータセンター市場は、
- 冷却技術の革新(液浸冷却)
- エッジ化による小型DCの増加
- 災害リスクに対応した高信頼DC(ティア4など)
といった“技術 × 不動産”の高度な領域に進んでいきます。
普通のオフィス・倉庫とは違い、
建物 × 電力 × 冷却 × ITインフラ × セキュリティ
をセットで理解して評価する必要がある専門性の高いアセットです。
不動産の相談は株式会社ESTATION TOKYOへ
データセンターは、専門性の高さゆえに、
立地選定・設備要件・投資判断・バリューアップなど、通常の不動産とは違う知識が必要です。
「データセンター用地を探している」
「既存ビルでDC化できるか知りたい」
「データセンタープロジェクトの投資検討をしたい」
など、お悩みがあればお気軽に!